初対面で宗教の話ができないのはなぜかという話は初対面でしてもいいですか?

初めて会った人や、あまり親しくない人とは、宗教の話はしてはいけないと言われる。なぜだろうか。 アニメや漫画、小説、音楽、スポーツ、科学などの話はしてもいいのに、どうして宗教はだめなのだろうか。 それは、一般的に、日本人が宗教を話す際のコンテ…

あきらめコンテンツの時代と森田童子 上

はっきりと言おう。今は、あきらめコンテンツの時代である。 そう考える根拠は2つ。異世界転生系コンテンツの台頭と、ヒットソングの歌詞である。 まず、異世界転生系。 「転生したらスライムだった件」、「二度目の人生を異世界で」、「Re:ゼロから始める…

アシタカはなぜ「生きろ。」と言ったのか(もののけ姫考察)

映画もののけ姫で、瀕死になった主人公アシタカは、もののけ姫サンに対し「生きろ。」と告げる。では、どう生きれば良いのか。私は、この映画にそう問われているように感じた。生きるとはどういうことなのだろうか。 主人公アシタカは不条理に苛まれながら生…

素朴であること

「素朴」という言葉が、近頃わたしのテーマです。素朴なまま生き、素朴なまま死ぬことができたなら、それはすごく幸福なことではないかと思うのです。 素朴な言動や姿勢は、その人の人生を丸ごと肯定しうる力を持つかのように感じるのです。素朴な人を見ると…

時代に規定される、問題のない私たち

私は”売れているもの”が嫌いである。 時は流れる。社会情勢も移ろっていく。それに合わせて、音楽、文学、漫画などのコンテンツの内容も変遷していく。その変遷はもちろんグラデーションになっているが、後になって振り返ると、その時その時である程度のまと…

矛盾と逆説

この世界は矛盾で溢れている。それはだれもが気づいているだろう。そもそも私達は、“死ぬのに、生きている”。生まれた瞬間から我々自身が矛盾そのものだ。しかし、それを指摘することにどれほどの意味があるだろうか。矛盾だ、矛盾だ、矛盾だ、と、指摘し続…

カオナシはあなたの中にいるのです

カオナシとは何なのだろう。あの白と黒の仮面の下には一体何が隠れているのだろう。私達は彼を、心のなかでどのように消化すればいいのだろう。 私にとって、カオナシは消化不良の権化だった。小さい頃に映画館で見てから、もう何十回もDVDで見てきたが、彼…

風の谷のナウシカ(漫画版)は、ナウシカの実存主義宣言である(ネタバレ)

「風の谷のナウシカ」の漫画は全7巻である。第7巻の最後のコマには、物語を締めるにあたっての解説文を除けば、一言だけ言葉が書かれている。「生きねば」。宮崎駿の最新作、「風立ちぬ」のキャッチコピーと同じ一言が、その公開よりも20年以上も前に発…

井上陽水「傘がない」は「社会問題」のあり方を描出した珠玉の歌。

井上陽水の「傘がない」という曲を知っているだろうか。 傘がない 井上陽水 - YouTube 都会では自殺する若者が増えている https://lyricjp.com/ats/a000db4/l0133ach こんな歌い出しから始まるこの曲を、私は以前、少し訝った目で見ていた。すでに議論し尽く…